葬儀後の「精進落とし」、その意味や由来についてご存知でしょうか。
亡くなった方への最後の供養を行うこの行事には、深い意味と尊厳が込められています。
具体的なマナーや食事内容について理解し、故人への思いを尊重しましょう。
「精進落とし」とは何か?
初七日法要を終えた後は故人の冥福を祈り、遺族や参列者へ感謝の気持ちを伝えるために「精進落とし」と呼ばれる会食が設けられます。
今回は、精進落としの意味やマナーについて詳しくご紹介します。
精進落としの意味や、具体的にどのように行うべきなのかなど、そのマナーについて学びましょう。
精進落としの意味
「精進落とし」という言葉を聞いたことはあるのですが、正直よくわかりません。具体的に教えていただけますか?
もちろんです。「精進落とし」は葬式が行われた後に行われる、亡くなった方への最後の供養です。通夜や葬式の間は「精進料理」のみを頂いて供養しますが、精進落としの際には、再び肉や魚を食べることで喪や辛さ、つまり「精進」から解放される意味があります。
仏教では、葬儀をはじめとする弔事の際は、食事を控えめにし肉食を避けるという、「精進」を守ることが求められます。
これは亡くなった者を偲び、その命を大切に想うためです。
そしてその精進が終わるときに、「精進落とし」を行い常食に戻るのです。
精進落としまで肉や魚を避ける理由
なぜ、精進落としまで肉や魚を避けてきたのでしょうか?
精進落としの本来の意味や歴史的な背景から様々な理由がありますが、その一つに、肉食を避けることで、食事を通じて生命を奪うことを自制し、中断することで生死の有り様や命の尊さを改めて振り返ることからきています。
仏教でもともとは生命敬重の精神から肉食は忌み嫌われていました。
身を精進(しょうじん)するとは、そのような肉食を断つことから始まった教えです。
精進落としを行うタイミング
そうなんですね。では、「精進落とし」は一体どいつ頃に行うのでしょうか。
それは地域や宗派により異なりますが、一般的には葬式の翌日に行われることが多いです。
地域や家庭、宗派により「精進落とし」は行われる時期や方法に違いがあります。
ただし、一般的には葬儀の翌日に行われることが多く、葬儀に参列した親族や大切な人々と一緒に食事をしたり、故人を偲んだりする時間を設けるものです。
精進落としの食事内容について
なるほど。そして、この「精進落とし」で食べる食事は何でもいいのでしょうか?
「精進落とし」の食事では肉魚を食べることで、精進から解放される意味があります。そのため、肉魚を含む料理を提供するのが一般的ですね。
特に決まった料理はありませんが、肉や魚を含む料理を提供するのが一般的です。
特に「鯖」や「牛肉」などが使われることが多いですね。
鯖は「増える」、牛は「寿ぐ」という意味合いがあり、参列者への感謝の気持ちを込めるものにします。
精進落としに込められた思い
それぞれの食べ物にこんなに深い意味があるなんて驚きました。「精進落とし」って、ただ食事を楽しむだけじゃないんですね。まだまだ知らないことが多いですが、ちょっとずつ学んでいこうと思います。
本日学んだことを確認しましょう。
- 精進落としは、葬式の後に行われる供養の最後の儀式で、肉魚を食べることで精進から解放される。
- 肉食は生命を奪うことなので避け、そこから精進落としという行事が生まれた。
- 精進落としは地域や宗派により異なるが、一般的には葬式の翌日に行われる。
- 精進落としの食事では肉魚を含む料理を提供し、一般的には「鯖」や「牛肉」が提供される。
「精進落とし」は、故人への哀悼の意を表し、亡くなった者を偲びつつ、生命の尊さを再認識すると同時に、供養を終え、生活に戻る、という重要な行事です。
葬儀や仏事のマナーは、尊敬と敬意を示すためのものなので、いずれも尊重していきましょう。