法事の意義とは?法事の目的と本質とマナー

最終更新日:2024/04/26

法事の意義とは?法事の目的と本質とマナー

法事とは、一体何を目的として行われるのでしょうか。
故人を偲ぶだけでなく、生きる者にとっても意味深い存在であることを深堀していきます。

法事の進行やマナー、年ごとの意義に至るまで、知識を得ることでより深くこの儀式の背景を理解できます。
敬意や感謝、つながりを通じて、法事が生者と死者をつなぐ重要な役割を果たしていることに気づくでしょう。

法事の本質と目的

法事というと、一般的には仏教における卒塔婆供養(そっとうばくよう)や先祖供養など、故人を偲んで行われる儀式のことを指します。、
しかし、「法事」の真意や、その目的が何なのか、完全に理解している人は少ないかもしれません。

法事はなんのために必要で、どういう意味があるのか、仏教の視点から見た法事の本質とは何かなど深堀していきます。
また、法事のマナーやその進行の知識も併せてご覧ください。

法事の意義と業

法事って、具体的には何をするものなのですか?それとどんな意味があるのですか?

生徒
先生

法事は、一般的には故人を偲ぶための儀式です。彼らの死後の安息を祈り、また私たちが生きることの尊さを改めて感じるためのものですね。また、法事は本来、故人の生前の行い(業)によって生じる苦しみを軽減し、無事に来世へと進む手助けをするものです。それは、生きている者が故人を思う心を形にする、つまり哀悼の意を示す一方で、遺族が自己の心を落ち着け、前に進むための時間でもあります。

ここで言う「業」とは、人が生前に行った善行や悪行のことを指します。
それは、遺族が故人に対して行う供養行為により、故人の「業」が浄化され、その生まれ変わりが良いものになるという考えが根底にあります。
つまり、法事は故人に対する感謝の気持ちを表すだけでなく、生者と死者、世代をつなぐ大切な儀式なのです。

法事の進行とマナー

法事の進行やマナーについても教えていただけますか?

生徒
先生

法事の進行は宗派により異なりますが、基本的には寺院や自宅で僧侶を招いて読経や祈祷を行います。供養の形としてお線香をあげたり、お供え物を用意したりします。また、法事の最後には食事をともにすることで親族や友人たちとの交流を図ります。マナーとしては、正装で参列すること、時間を守ること、僧侶へのお布施の準備などが挙げられます。

法事で行う読経は、故人の供養はもちろん、参列者自身の悲しみを癒す効果もあります。
また、お供え物は具体的に故人に向けての感謝の気持ちを表すためのものです。

食事会は故人を偲びつつ、生者同士の交流や繋がりを深める場でもあります。
その際に僧侶へのお布施は、故人への感謝と共に、追善供養を行った僧侶への感謝の気持ちを示すものです。

年ごとに法事が行われる理由

なぜ、法事は特定の年ごとに行われるのですか?

生徒
先生

法事が特定の年ごとに行われるのは、人間の心理と仏教の教えから来ています。人間は時間が経つにつれて忘れてしまう生物です。ですから、特定の年ごとに故人を偲ぶ時間を設けることで、故人への思いを新たにすることができます。また、初七日、四十九日、一周忌、三回忌、七回忌といった法要は、故人の霊が安定する過程を示すものでもあります。

人が死亡した際、霊魂は浄土に向かうとされますが、その間には浄土へ至るまでの一定の過程があるとされています。
初七日、四十九日、一周忌、三回忌、七回忌とは、その過程を示すもので、これらを経ることで霊魂は完全に浄土に向かうとされています。
そのため、これらの法事を厳粛に行うことは、故人の霊魂が無事に浄土に向かえるようにするための重要な儀式なのです。

初七日法要の意味とは?

例えば、初七日法要では、具体的にどのようなことを行うのですか?

生徒
先生

初七日法要は、死後7日目に行われます。故人の遺族や親族、友人などが一同に会し、僧侶を招いて読経を行うことが一般的です。また、その後に皆で食事を共にすることもあります。この法事は故人が亡くなった喪失感による混乱が強い期間に行われるため、遺族や親族が故人の死を受け入れ、新たな日常を築いて行くはじまりの儀式でもあります。

初七日法要は故人の魂が浄土に向かう旅立ちの最初の節目ともされ、遺族や親族が故人の旅立ちを手放す儀式とも解釈されます。
故人を偲びつつ、僧侶が読む経文の声を聞きながら、遺族や親族は故人の死と向き合い、故人の死を少しずつ受け入れていく助けになります。
食事会は、故人とのつながりを象徴し、故人を偲ぶ場としても大切な役割を果たします。

法事の意義まとめ

法事が故人を偲ぶだけでなく、生きている我々にとっても大切な儀式であることがよくわかりました。故人のためだけでなく、故人の人生を振り返ることで、自身の生き方を見つめ直す機会にもなりますね。

生徒

今回学んだ要点を簡単にまとめます。

  • 故人の供養とその霊の安息を祈る儀式。
  • 遺族が故人の死を受け入れ、前に進むための時間。
  • 故人への感謝と哀悼の意を表すもの。
  • 生者と死者、そして世代をつなぐ儀式。
  • 故人とのつながりを思い出し、感謝の気持ちを新たにする一方、自身の生き方を見つめ直す機会でもある。

これらを踏まえて、敬意を持って法事に臨むことが大切です。

こちらも合わせてご覧ください。

仏壇の教科書 サイト管理者

作成者: 仏壇の教科書 サイト管理者

葬儀や法事などのアドバイスと情報を提供しています。