御仏前と御霊前の違い:知っておくべき香典の表書きやマナー

最終更新日:2024/09/30

香典のマナーと金額決定方法についての基本ガイド

仏教の葬儀における香典の表書き、「御仏前」と「御霊前」。
実はタイミングによって使い分ける必要があります。
この記事では、それぞれの意味や使い分け、書き方、マナーなどを詳しく解説します。
ぜひ最後までご確認ください。

香典の表書きやマナー

仏教の葬儀では、故人への供養として香典を包むことが一般的です。
しかし、香典袋の表書きには「御仏前」と「御霊前」の2種類があり、それぞれ使用するタイミングが異なります。
今回記事では、御仏前と御霊前の違いについて詳しく解説します。
また、香典の書き方や金額の相場などのマナーもご紹介します。

香典の表書き:御仏前と御霊前の意味

香典の表書きについて教えてください。
御仏前と御霊前があると思うのですが…。

生徒
先生

そうですね、御仏前と御霊前は、どちらも仏教の葬儀や法要で使用される香典袋の表書きです。
ただし、それぞれ意味が異なります。

御仏前は、四十九日法要を過ぎた故人へのお供えに使用します。
仏教では、人が亡くなると四十九日間の間に六道輪廻をさまよい、その後仏になると考えられています。
そのため、四十九日法要以降は故人を仏様として供養し、「御仏前」の表書きを用いるのです。

御霊前は、御霊(みたま)の前という意味で、四十九日法要までの故人へのお供えに使用します。
四十九日法要までは、故人はまだ成仏しておらず、霊魂として存在すると考えられています。
そのため、「御霊前」の表書きを用いて、霊魂の冥福を祈ります。

御仏前と御霊前の使い分け

御仏前と御霊前をどう使い分けるのか、教えてください。

生徒
先生

御仏前と御霊前は、故人の状態によって使い分けることが大切です。
・四十九日法要以前:故人はまだ霊魂の状態と考えられているため、「御霊前」を使用します。
・四十九日法要以降:故人は仏様になったと考えられているため、「御仏前」を使用します。

宗派による違いでも、使い方が異なります。
例えば浄土真宗では、人が亡くなるとすぐに阿弥陀如来の浄土に往生すると考えられています。
そのため、浄土真宗の場合は四十九日法要に関わらず「御仏前」を用います。

香典袋の書き方

表書きの使い分けについて学べたところで、香典袋の書き方について詳しく教えていただけますか?

生徒
先生

まず、香典袋の水引の真上に表書きを記載します。
そして、水引の真下には送り主の氏名をフルネームで記載します。
中袋が付いていることがほとんどで、中袋の表面には旧字体で金額を書きましょう。
中袋の裏面には住所と氏名を、左下に記入します。

香典袋の書き方で注意すべきマナーは、筆記用具は薄墨を使うことです。
「涙がこぼれ落ちて墨が薄まってしまった」という意味が込められ、お悔やみの気持ちを表すことができます。
ですが、近年は弔事用の筆ペンも販売されていますので、こちらを使用しても問題はありません。
ボールペンや鉛筆は簡易的すぎて失礼にあたるため、薄墨も筆ペンもない場合は、サインペンで書くようにしましょう。

香典の金額

香典袋の書き方についても分かりました。
香典に包む金額はいくらが良いかも知りたいです。

生徒
先生

香典の金額は、一律いくらというわけではありません。
故人の関係性や年齢などによって変動します。
身内の場合の相場は、以下の通りです。
・両親(3~10万円)
・兄弟姉妹(3~5万円)
・祖父母(1万円)
・叔父叔母(1万円)

友人・知人は5千円~1万円程度、会社関係は3千円~1万円が相場です。
香典に包む金額ですが、3千円、5千円、1万円、3万円というように、「奇数」の数字に合わせるのがマナーとされています。
偶数は割り切れることから「縁が切れる数字」、「縁起の良くない数字」とされているそうです。
そのため、香典の金額は奇数に合わせるようにすると安心です。

上司の葬式への適切な香典

具体的な事例で考えてみたいのですが、もし私が初めて会社の上司の葬式に参列するとしたら香典はいくらが適切なのでしょうか?

生徒
先生

会社の上司の葬式に参列する場合、一般的には3千円~1万円が相場とされています。
ですが、あなたの経済状況や上司との関係性を考慮した上で、適切な金額を選んでください。

上司との関係性や自身の経済状況によって香典の金額が変わるため、失礼のない範囲で金額を選ぶことが一番です。
また、会社がまとめて香典を出す場合もあるので、事前に確認してみてください。

まとめ

御仏前と御霊前の違いや使い分けについて学ぶことができました。
表書きの書き方も知れたので、弔事に参列する際は活かせそうです。
ありがとうございました。

生徒

御仏前と御霊前は、使用するタイミングが異なるため、間違えないように注意しましょう。
また、香典袋の書き方やマナーについても事前に確認しておくことが大切です。
この記事が、皆様の参考になれば幸いです。

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